『めぐる88 全三巻』
岡本一広『めぐる88 全三巻』 アスキー・メディアワークス 電撃ジャパンコミックス
四国在住の漫画家岡本一広先生が、その地の利を生かして描いた四国八十八霊場めぐり、お遍路について描いたコミックスです。
馬鹿というぐらい人の良い青年太一が、何故か友人の借金の肩代わりとしてお遍路をさせられるというのが物語の始まりです。
ですが、登場人物である太一、途中で出会い、共に歩き遍路の仲間に加わったハルカ、リチャード、織り成す人間ドラマが素晴らしい。
特に二巻目後半から、ドラマがより深く掘り下げられている。
何かを思いつめた、何かを変えたい、何かを背負った者たちの葛藤やもどかしさ。
それを無意識に少しずつ溶かして癒していく三人の心のふれあい、心配りは読んでいても心地よく、かつて持っていて、現代の日本人の多くがなくしてしまった「心」を思い出させてくれるようです。
今まさに何かを迷っている人、自分を変えたいと思っている人には何か示唆をくれるのではないでしょうか?
自主性のない人、1から10までか答えを言ってもらわないと不安な人、自分で考えることを得る為の宗教哲学・人生哲学の書といっても良い様な内容です。
残念ながら三人の遍路の途中で作品としては完結してしましましたが、きっと太一たちの自分探しのお遍路はまだまだ続くことでしょう。
またどこかで彼らの旅物語を見たいものです。
岡本先生にサインを頂いた2巻は私の宝物です~。
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