『志摩のはしりかね』
K01-014 岩田準一『志摩のはしりかね』 昭和47年 限定版
「志摩の鳥羽港にて水上売淫婦を云う、此遊女は小舟に乗りて入港の大船に至り、船頭に春を売り、尚船頭の望みによっては、十日間とか半月間とかの買切りにて、他の港へ往復する期間、船に乗り込むもあり、
其船に乗れる間は、着物の仕立、雑巾綴り、ボロの繕いなどもする也」
宮武外骨『売春婦異集』半狂堂
すこし長いがこの引用文がはしりかねの全てを簡単ながら教えてくれる。
全国的に云えば舟娼・船遊女、各地にて名称はちがうが、伊勢志摩地方でははりしかねと呼ばれていた彼女達。
そのはしりかね達の名の由来、歴史、風習などをまとめ研究したのが本書である。
廓、宿場その他妓楼に居た遊女達とはちがい、どちらかと言うと船乗り達の志摩地方にある港での妻。
そんな彼女達をもっと深く感じたい、遊女についてもっと知りたい、そういう方にお薦めです。
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