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『日本花街史』

明田鉄男『日本花街史』雄山閣 平成2年

 10年の歳月をかけた大著と言うのは伊達ではありません。全614ページ、電話帳よりもある厚みがそれを物語っています。

 タイトルは『日本花街史』とありますが、実際は京都花街遊廓史。公許遊里第一号である島原廓が天正17年(1589)京都で許可されました。そのため著者は日本の遊里について調べるには、まず京都遊里を発生、展開を調べるのが大事だと言う思いでこの著書を書き上げました。

 祗園や上七軒などの現役花街やすでに消えてしまった東三本木などの花街も丁寧に調べ上げられています。また全編京都遊里だけと言うのではなく、後半は吉原、新町等といった日本各地の主要な遊里や遊女の生活について書かれ、遊里の総合研究書でもありあます。

 ですがこの本を書き上げたことで著者はある旧遊里の妓楼から訴えられたことがあります。でもそれは著者側が勝訴しまた。まあ、訴えられた内容は歴史的資料的にみても不当なもので有ったので当然の結果だといえます。

 私の周りで何名かこの本を持っている方がいますが、非常に高評価です。この本は資料としても最適で、ある京都の花街の組合長さんにこの本のコピーを見せて見せて頂いた事もあります。京都遊里を卒業のテーマにしようと考えている学生さんには是非とも目を通してもらいたい一冊です。絶版なのが残念ですね。

『遊廓・性風俗 K01-012』
http://homepage2.nifty.com/dream_messe/

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