『慟哭のリング』
葉青『慟哭のリング』読売新聞社 1998年初版
小説では珍しい女子プロレスの世界を描いたものです。ストーリーは中国人少女が昔一度目にした女子プロレスの憧れて、日本で女子プロレスラーになるまでを描いたものです。
主人公は架空の存在ながら、劇中に登場する数人にはある程度モデルがいるようで、この人はあのレスラーかなと考えながら読むのも又楽しいです。
ただこの本が出版された頃には、全日本女子プロレスは倒産騒ぎでNEOレディース(現NEO)とアルシンオン(後にAtoZになり崩壊)に分裂し、JWPは規模を縮小しはじめるという女子プロ冬の時代に指しかかろうとしていました。
残念ながらまだ女子プロレスは冬の時代から抜け出せていませんが、2006年には久々に各団体で新人が一挙にデビューするという春の訪れを感じさせる出来事がありました。
その彼女たちが立派な花を咲かせるのには、まだまだ時間が掛かるでしょうが、それまでプロレスファンである私もこの本の主人公のように夢を忘れず、待ちつづけたいと思います。
『小説 SG02-007』
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