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『キリストは日本で死んでいる』

山根キク『キリストは日本で死んでいる』たま出版 新装版 1994年06月

 同じ著者の作品に戦前の発禁本で『光は東方より』という本があります。後に八幡書店より復刻されました。内容をかいつまんで言うと釈迦やキリストは古代日本にやって来て修行した。キリストはゴルゴダの丘で処刑されず、日本にやって来てなくなったというトンデモ本の一冊です。
 子供の頃、ムー等ででこの本を資料とし、青森にあるキリストの墓なるものを紹介した記事を読んで、人知れず青森に憧れたものでした(笑)。そんな思いを持っていただけに『光は東方より』の続編的存在の本書が出版されている知らず、見つけたときは感慨深かったです。ちなみに副題は「キリストは日本で死んでいる かつて日本中を震撼させた宇宙考古学の原典」となっています。
 購入しまだ読み出す前、丁度世間では『ダヴィンチ・コード』で持ちきりでした。そんな中、オカルト好きの知人に『ダヴィンチ・コード』に対抗して、この本を映画化すれば面白いのにと笑いながら言っていました。
 そして期待に胸を膨らませ、ドキドキしながら読んだんですが・・・。ものの見事に期待を裏切られました。
 文中で色々と推論するの良いのですが、きちんとした論証も考証も出来ていない上で断定されても困りますし、根拠となっているのが『竹内文書』群であり、それを妄信的に信じて、それ自体の考証をまったくしていないという致命的な問題があります。
 酒の席でのネタにはなりますが、それ以上にはなりません。この手の本は大好きなんですが、この本は読んでいて途中で疲れました。期待していただけに非常に残念です。

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