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『カポエイラ』

三田雄士 カルメン・ミタ『カポエイラ』現代書林 2005年11月

 カポエイラと言えば、私は「鉄拳2」とレスラーのペドロ高石選手を思い出します(笑)。そういえば三島☆ド根性之助もU-FILEの試合で使っていました。あの故大山倍達総裁もブラジル武者修行中にカポエイラ使いと対戦して、その技巧に舌を巻いたようです。
 コミックの世界では『闘翔ボーイ』『修羅の門』にも登場します。小説界では平井和正が『ウルフガイ・シリーズ』に登場しているそうです。昔はテレビのCMなんかにちらりと出たりしていました。格闘系本では初見良昭『世界のマーシャルアーツ』(土屋書店)と『マーシャル・アーツ・マニア』(福昌堂)に少し技法が紹介されている程度です。意外に登場しているのに詳細が良く判らない格闘技カポエイラ。そのカポエイラの良テキストが、この『カポエイラ』です。
 著者の一人は、偶然出会ったカポエイラに魅せられ、ついにはブラジルまで渡って修行した方です。もう一人の方は奥様で同じくカポエリスタです。そんな二人の著書『カポエイラ』は、カポエイラの歴史から連続写真による技の解説、そしてブラジル文化・芸術としてのカポエイラの紹介を丁寧に描いています。音楽に合わせ、技を繰り出す為、一般的にはダンス格闘技のように思われがちでしょうが(そうなっているグループもあるそうな・・・)、この技の連続写真をみると足を鞭のようにしなやかに使い、相手の虚を突き死角から襲い、なおかつ下半身だけでなく全身もフルに使って遠心力を利用して打撃力を強めていると言うことも判ります。日本の格闘界に真のカポエイラ使いが現れて、キック・ボクシングやムエタイの猛者をばったばった倒していっても刺激的で面白いんじゃないかと思ったりします。
 とにかくカポエイラのテキストとして、この本はかなりいい本だと思います。

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