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『古本通』

 著者の樽見氏は「日本古書通信」で27年編集に携わってきた古書業界を見つづけてきたベテランです。そんな人が書いたこの本、結構コアな古本の話が書かれており、古本についての良テキストです。
 特に第一章「古書業界の仕組み」、第二章「古書価決定のシステム」、第三章「古本探しのツール」は組合に加盟しおらず、古本屋で修行を積んでいない人が多いオンライン古本屋にとって非常に有益な情報知識が詰まっています。
 第一章「古書業界の仕組み」は業界の歴史を簡単に書いています。第二章「古書価決定のシステム」は古本交換会・市場についてかかれています。組合、交換会によっては会の歴史をまとめた本を出していることもありますが、一般流通していません。ですので組合未加入者はこういう機会でないと市の仕組みを知ることが出来ない為、興味深く読むことが出来ます。第三章「古本探しのツール」はジャンルや人によって使うものはいろいろでしょうが、ネット利用や有益な目録、書誌学の本を紹介しています。オンライン古本屋にとって、この第三章が一番役に立つ内容だと思います。私もこの本で得た知識を上手く活用していきたいと思っています。
 手軽に読める新書版でありながら、古本ファン、オンライン古本屋にとって非常に有益かつ教えられることが多い本です。

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