『栞と紙魚子』
諸星大二郎『栞と紙魚子 1~3』朝日ソノラマ ソノラマコミック文庫 2003年
私の静かなブーム諸星大二郎モノです。知人から古本屋でクトルーちゃんというキャラが登場する諸星作品があると聞いていました。でも本屋によって思い出した時にしか諸星作品は買っていない私。昨日の古本祭りの帰りに別の本を探しに新刊書店に寄り、「ああ、そうだ」と思い出して購入しました。
内容は栞と紙魚子の高校生ふたり組みが、変な事件に巻き込まれるブラック・ユーモア溢れる作品です。一歩間違えばホラー・コメディーと化して収拾の着けられない内容になりそうなのをこれ以上ないほど上手くまとめているのは諸星大二郎ならではではないでしょうか?
しかも紙魚子の実家が「宇論堂」という古書店で時折変な本(変な人も多数w)が登場します。例えば『生首の正しい飼い方』『ケーキ爆弾』『殺戮詩集』『直立魚類』『室井恭蘭全集』などなど。全て作者の架空の本ですが、その発想や劇中での使い方が素晴らしく、古書マニアの方なら読んでいて実在するなら欲しいなと思わすほどです。
『暗黒神話』『孔子暗黒伝』のような壮大さや『妖怪ハンター』のようなミステリアスさはあまりなく、ちょっと不思議なご近所話ですが、それでも諸星テイストを失っていない面白い作品です。
勿論当店のライバル店は、胃の頭町の古書店宇論堂です(笑)。実在したら是非行って見たいな・・・。
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