古本屋どりぃむめっせのぐだぐだ営業日誌

宮下あきら『民明書房大全』集英社ジャンプコミックスデラックス　2004年09月発行

　『栞と紙魚子』『鼻行類』なんて本を紹介したのなら、この本も紹介しないと片手落ちというものです（笑）。知る人ぞ知るあの民明書房発行の奇書珍書を集めた『民明書房大全』です。
　最初に言っておきますが、民明書房は宮下先生が考えられた架空の出版社で『魁！男塾』等の宮下作品に参考文献として登場する架空の本の出版元です。ですが『魁！男塾』連載当初、実在する出版社、書籍だと信じ、神保町などの古書街を民明書房本を探した方も多いようです。各言う私も10代始めのピュアの頃『魁！男塾』を読んでおり、当初は「こんな変な本があるんや～」と本気で感心していました。まあ、その後『魁！男塾』を読んでいくうちに作者の架空本であると気が付きましたけど（笑）。
　でこの本の登場する本の書名だけでも拾ってみると『暗殺秘話』『知られざる秘拳』『世界の怪拳・奇拳』と言ったいかにも有りそうなタイトルから『かき氷屋三代記-我永遠に氷をアイス-』『ピンポンパン伝説』『ケン玉こそ我が命』など思わず笑ってしまうタイトルまでいろいろ紹介されています。
　宮下作品以外で引用されることがないのが非常に残念ですが、民明書房を生み出し、あまつさえこのような本を出版させる宮下先生の力量には脱帽します。