古本屋どりぃむめっせのぐだぐだ営業日誌

菊地秀行『妖神グルメ』朝日ソノラマ　ソノラマ文庫　1984年6月発行

　ソノラマ文庫、ソノラマ文庫ネクストと版を代え、現在は絶版となってしまった菊池秀行氏によるクトゥルー神話です。
　この本を初めて目にしたのは、ある雑誌のレビューでです。当時学生だった私は、クトゥルー神話ってなんだろう？とまったく予備知識がないまま、見知らぬ神話に興味を抱き読みはじめました。
　この作品の主人公、普段はボーっとした高校生ながら、イカモノ料理に掛けては超天才。その主人公の腕と才能で復活した邪神の腹を満たさせようと邪神側は動き、そうはさせじと人間側は各国の軍隊を動かして阻止を企てながら物語は展開していくのです。
　私は読んでいくうちにぐいぐいと引き込まれ、読み終わったあとには満足感を漂わせました。しかし、ラストにクトゥルーを○○するなんて・・・！！こんな結末この作品の後にも先にも出ていないと思います。さすが菊池先生！
　これが私のクトゥルー神話と菊地秀行作品との出会いです。この作品以降、私は菊池ワールドとクトゥルー神話に魅了されて行ったのは言うまでもありません。ある意味罪作りな(笑)･･･もとい素晴らしい作品で私に取って忘れられない一冊です。